野生生物保護技術者

野生生物の調査と保護活動をする仕事

野生生物保護技術者は、近年世界的に問題になっている絶滅危惧種など生息数が危ぶまれる生物に対し実態を調査するとともにその保護活動をしていくという仕事です。

ここ数十年という短い間を見ても世界のいたるところで害獣・害鳥駆除という名目で多くの生物が殺処分されていたり、象牙やマイタイのように装飾品の素材とするために乱獲をされた動物が数多く存在しています。

日本国内においても環境破壊や住環境の変化によって個体数が激減している動物は数多くいるため、そうした生物について詳しく調査をして今後どういった環境政策をとっていくべきかということを研究・提案していきます。

日本では毎年環境省が「絶滅のおそれのある野生生物の種のリスト(レッドリスト)」を作成し公表していますが、その作成に携わったり各自治体に働きかけて必要な施策を提案していきます。

あまり知られていませんが、日本国内でも完全に絶滅をしてしまったとされる動物は数多くあり、絶滅を間近にしている希少種もかなりの数がリストアップされています。

今後より一層の優秀な野生生物保護技術者の人材確保が必要であると言えるでしょう。

野生生物保護技術者になるには

野生生物保護技術者は医師や獣医師のように特定の専門資格を必要とする仕事ではありません。

ですが現在私達がよく目にする動物だけでなく、過去に存在していたとされる生物や普段の生活ではまず滅多に見かけることができないような希少な動物について詳しい知識を備えなくてはいけないということでより一層の生物学についての広い知識が求められます。

そのため就職をするためには生態学や獣医学を専攻できる大学や専門学校を卒業し、可能ならばその他にもビオトープ管理士や環境カウンセラーのようなより地球規模での環境学の知識を習得しておくことが勧められます。

野生生物保護技術者では動物の知識があればよいというわけではなく、例えば温暖化の影響により世界各国でどういった変化が起こっているかという気象学や、各地の工場施設から排出される排ガスや排水が生物にどういった影響をあたえるかといった化学の知識も必要になってきます。

ですので何らかの知識や学歴があればそれでよいというわけではなく、どういった要因が自然の動物たちにどんな影響を与えているかという広い観察眼と知識を求めていくという生涯をかけた勉強をするという姿勢が大切になります。

野生生物保護技術者の主な就職先

野生生物保護技術者としての就職先はそれほど多くはありません。

というのも一般企業や団体というのは営利を目的とした経済活動をするためのものなので、雇用する人の利益に直接的につながらない環境保全という活動にはそれほど積極的にはなれないからです。

そのため就職先としては一般企業ではなく、自然保護活動のためのNPOや生物学の研究所、政府による環境アセスメント団体が主になります。

公務員として募集する枠もあり、環境庁職員や林野庁、野生生物調査団体といったところで募集をしていることもあります。

しかし公務員や調査団体となるにはそれまでの実績が重要になってくるので、まずはボランティア団体やNPO法人の活動に参加をしてそこから幅広く知識やスキルを得るようにしていきキャリアを積み上げていく必要があります。

10月 30th, 2016 by